1万円の中古ダブルベッド
4年使った中古の木製ダブルベッド。
ついにさようなら。
壊れても直し、壊れても直し…
4年頑張ったけど、とうとう完全に潰れてしまいました…。
最初は「新婚生活から、誰が使ったかわかんないベッドかよ…」なんて思ってた、若い若いあの頃の私。
でも今、お古の家具を買って、使えなくなるまで使い倒してみるのもいいもんだな、と思い返しています。
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私たちが100ユーロであの学生っぽい男性から買い取らなかったら、もしかするとゴミとなっていたかもしれないこのベッド。
100ユーロ。つまり約1万円くらいで、結局4年も使って来たんです。
見た目はとってもきれいだけど、買って数ヶ月後…
ベッドの底がちょっと弱くなってたことを知って。
おまけでついてきたマットレスは、血がついてたし。笑
でも…
引っ越したばかりのときは本当に贅沢できるようなお金もなくて、3万円、4万円、いやもっとするかもしれない新しいダブルベッドを買いに行くことは躊躇しました。
もちろんあのベッドを使うのは精神的に辛かったけど…
こんなベッドで、新婚生活を始めるのかと思ったけど…
あのときの私は我慢。
でも、やっぱり我慢できない部分は旦那を交渉。
「100歩譲ってもこの上にそのまま寝られない」と告げ、自腹で薄いマットレスを新品で購入して、問題のマットレスの上に新品の薄いマットレスを敷いて、カバーをかけました。
気持ちだけはちょっとばかし、楽になって…
これも仕方ない、今だけの辛抱だ、、。
…と、思っていたけど数日も経てば、忘れて。
いや、慣れて。
結局使い続けました…。
寝られることがありがたい。
節約できたことがありたい。
そして、まあデザインはいいじゃないか。
まあ、結局なんか、これでもいいじゃないか。
十分使えるじゃないか、と。
そんな思い出が、今とっても、とても懐かしいです。笑
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ついに思い出深いベッドとさようなら
そうして新婚から、私たちの経済面をも支えてくれたベッド。
あの日からここまで4年間も…なんだかんだで思っていた以上に長く使ったなと思います。
今年の冬頃から、もうそろそろ新しいベッドを買わなきゃね、と夫婦で話し合い…
先月にやっと、10年くらいは使えるであろう新品のダブルベッドを買いに行きました。
家で夫が潰れたベッドをバラバラに解体した時は、やっとこの底が弱くて座っただけでバキバキ音のなるベッドから解放される〜なんて喜んだけれど、
貧乏新婚生活を支えてくれた、最初の家具だったことを久しぶりに思い出して、解体されたバラバラの木の板を拾いながら感慨に浸った日。
その時、この話をブログを書こうと思ったんですよね。
そして、ベッドを捨てにいく
雨の降るお昼、ベッドを捨てにトゥルク市のゴミ捨て場まで車を走らせました。
車はないので、義父母がわざわざ手伝いに来てくれて、一緒にゴミ捨て場へ。
おびただしい数のゴミの山に、バラバラにしたベッドを投げ入れる。
なんだかとっても辛かったです。
テレビや映画でゴミの山が広がる光景をなんども観たことはあったけど、足を踏み入れたことはなかった大きな大きなゴミ捨て場。
ここは木材のゴミの山ですが、隣には別の資材が集められ、向こう側にもいろんな山が連なっていました。
そんな光景を見ると、4年使ったとは言ったものの、4年しか使えなかったことに逆に申し訳なさを感じました。
潰れてしまったから仕方ないんだけれど、自分で捨てに行くというのが、生々しくて。人間の生み出すゴミの量を改めて目で見て、苦しくなって。
最後の最後に自分の手で捨てに行って、いい経験になったと思います。
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セカンドハンドと暮らす生活を思い出す
帰り道、そのまま新しいベッドを買いに家具屋へ向かう途中…
わたしはもともと、セカンドハンド(中古)アイテムに、すごく抵抗があったことを思い出しました。
今は平気で、いいものは中古でも買います。
節約とかエコのためというよりも、気に入ったものがあれば、普通にネットで中古を探すこともある。
安さが理由というよりは、古いデザインが好きだから、気に入ったものがないか中古家具屋を覗きに行く機会も増えました。
でも、フィンランドへ引っ越す前の私はそんな人ではなかったです。
いいものを、普通に新品で揃えたい。
そんな価値観の持ち主で、絶対新品しか欲しくなかった人。
でも、その習慣をぐるっとひっくり返したのが、まさにこのベッドなんですよね。
あんなに中古品に抵抗があった私が中古ベッドに寝るという、あの頃にとっちゃ、ものすごい挑戦的な行動であっという間に中古への抵抗感を打破。
「新しいものだけを買いたい」と思うこだわりは徐々に薄れて、別の新しい暮らしに出会うきっかけになりました。
中古のベッドを買い、壊れるまで使い、自分の手で捨てて、自分の成長に気づかされる…
いいものに出会ったなと…
いいものを使ったなと…
いいきっかけを得たなと…
新しいものばかりを選ぶ習慣はいいけれど…
新しいものばかりを買ってしまう習慣から、一歩離れる機会があって、古いものに囲まれた生活をおくっている私。
もしあの時、夫を説得して新しいベッドを手に入れてたら、きっと今こんな風には思わなかったかもしれないし、新品だけにこだわる癖はそのままだったかも。
もちろん、新品ばかりを買うことを悪く言ってるのではありません。
もちろん今も新品の物を買うし、使います。
服だって身の回りの道具や家具、電化製品だって、気に入ったものを楽しく買います。
だから「新品を買わない」とは言わないし、これからも言えません。
でも、使い古されたものに手を伸ばすことも、同じく別の楽しさがあります。
これがきっかけで、家具、電化製品、なんでも気軽に、再利用に協力できる人になれたのですから。
それに、お金の使い方もある意味上手になりました。
先週は花瓶が欲しいと思って、キルップトリ(中古雑貨屋)へぷらっと立ち寄り、3€でゲット。捨てられるはずだった物から、気に入ったものを発掘して、安くで買い取る面白さは、たまりません。
中古と暮らす4年間
我が家の中古家具は、ベッドだけではありません。
ダイニングチェアは全部中古。3年前、色を塗って思い出も重ねました。
ヴィンテージチェアをリユース!中古の椅子をとびきり可愛くする方法家にある木製ベンチも。
ソファも夫が学生時代に人からもらったも。
本棚も。
台所のライトも中古。
仕事で使っているプリンターだって中古。
自転車。
壁のフォトフレームも。
食器や飾りも中古がたくさん…
こういう再利用のお買い物、暮らしが自然と普通になって、身の回りにはお古がどんどん増えました。
あるきっかけで生まれた新しい暮らしの選択が、後にエコ活動、環境保護に少しだけ、ほんのちょっとだけだけど繋がったんです。
さいごに
私は新品も買う。
でも、古いものも自然と買う選択ができるから、これから物の選び方はもっともっと柔軟になれると思います。
例えば、「もったいない」という意識は、ものを捨てる、もの手放す、無駄にすることだけではありません。
ものを買う
ものを選ぶ
という部分にもできるだけ「もったいない」の言葉を使えたら、少しでも別の暮らし方ができます。
地球に優しい暮らし方。
「ここから買ったらもったいない、これは中古で探そう」「新品でなくても良いや、セカンドハンドでも十分」など、選ぶこと・得ることに対しての「もったいない」
この「もったいない意識」が使える人は、どんどん使って一緒に貢献していきましょう。
私は夫婦でこれからもどんどんこの意識を忘れずに、物を選んでいきたいです。
物を救える人になりたいです。
あのベッドのような出会いと経験があるかもしれないから。